私の現在使っているオーボエは、「マリゴー(MARIGAUX)」というメーカーのフランスの楽器で、現在使っている楽器は二代目になります。ちなみに初代もマリゴーで、高校を卒業してわりとすぐに中古で購入した楽器でした。
この思い出深い初代の楽器は、一言で言えば音痴!!そして、ひとつひとつの音のバランスがとっても悪い、わがまま放題な、まるで私自身の様な楽器でした。今思うと、あの楽器を使っていた5年間は、振り回されるだけで過ぎていったように思います。
「オケ(オーケストラ)でマリゴーは吹くものではない」とはよく聞きますが、まさにそう言われる典型のような楽器でした。音抜けだけはマリゴーらしく抜群に良く、演奏会会場の壁を突き抜けるのではないか、というほどの音抜けの良さをしてました。そして、その抜群な音抜けの良さのお陰様で、2ndパートに座った際にはかなり泣かされました。しかし、この音痴きわまりなく音のばかでかい楽器も、「かわいくない子ほどかわいい」ということで、出るはずのないピアニッシモを必死で奏でる様は、なかなかいじらしくて泣けるものがありました。

その先代と別れて、現在私が吹いている楽器と出会ったのは1998年11月。新品で購入しました。「MARIGAUX 28/901」です。
私も仕事などで忙しく、楽器を買おうと思ったときにはとても選びに行ける状態ではなかったので、東京の方にいる友人に頼み込み、選んでもらった楽器です。普通は誰でも自分で吹いて試して買うものだろうと思うのだけど、彼に絶大なる信頼を置き、選んでもらいました。届いて吹いてみたら...大当たりでした。
セミオートの黒いオーボエ。キイはシルバー。なんの変哲もない普通のオーボエです。バランスも良く、マリゴー独特のキンキンとした音。しかも安価モデル。
つくづく楽器というものは「出会い」だなあと思います。高い楽器でも自分に合わないものは合わないですし、安い楽器でも自分に合っているものも実際にあります。もちろんある程度のレヴェルというものもあるので一概に何とも言えませんが、やはり値段ではないのです。「出会い」「運」でしょうか。人と楽器の出会いも、人間同士の出会いと同じです。
良い出会いが出来て良かったと心の底から思っています。大事に使っていきたいと思います。